4年前の秋、我が家のベランダに黒猫が遊びに来るようになりました。

彼は15年以上前に飼っていたキキという名の黒猫にそっくりで、私たちはいつしか彼のことをキキと呼ぶように。


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幸森キキになった日

ベランダに姿が見えない日でも名前を呼ぶと、どこからともなくやってくるキキ。

家の中で飼えないかと何度か招き入れてみたけれど、扉を閉じると嫌がってしまい、ベランダ生活が続いていきます。


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1年半程経った頃、熊本・大分を大地震が襲った直後のことです。

キキがまるで「家に入れてください」と言っているかのように、玄関の前に座っていました。

怖かったのだろうと思い扉を開けてやると、躊躇せず2階に登っていくキキ。

何年も前からこの家に住んでいたのかと錯覚するほどの落ち着きです。


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その日から正式に、野良猫のキキから幸森キキとなったのでした。

次女がパートナーに

温厚な性格で、娘たちや室内飼いしていた犬たちともすぐに仲良くなり、特に次女とは兄弟のように。

いつも次女の後ろをついてまわり、次女の作ったおもちゃで遊び、次女の呼ぶ声に鳴いて返事をし…。

2人で将棋をして遊んでいたこともありました。

次女にとっても、キキにとっても、きっとお互いが最高のパートナーだったのでしょう。


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お小遣いを貯めてはキキの為におやつやおもちゃを買う次女。

次はキャットタワーを買ってあげると張り切って貯金を始めたのは、つい先日のことでした。


それはあまりにも突然で

3月21日水曜日。

父がキキの異変に気が付きます。

ごはんを食べず、水も飲まず、気怠そうにしているのです。


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それから今日までは、あっという間に過ぎていきました。

毎日病院で点滴と注射を受けるも、一向に回復の兆しは見えず。

痛みを訴える鳴き声ばかりが増え、歩くことさえままならなくなっていくキキ。

家族みんなで必死になって看病しましたが、その甲斐もなく26日0時すぎに息を引き取りました。

1週間前は楽しくおやつを食べていたのに。

今日も病院で点滴しようねって言ってたのに。


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あまりにも突然のお別れ。

家族みんなが、悲しくて苦しくて寂しくて、みんなで抱き合ってわんわん泣きました。

愛し愛されて

よく猫は最期の時に姿を消す、なんて言われていますが、キキは家族みんなに見守られてその時を迎えました。

次女が一緒に寝たいと言い出したので、次女の布団の横で寝ていたキキ。

25日も朝からずっと虚ろな表情をしていたのに、夜になると目をキリッとさせていて。

次女が声をかけると次女の方へ顔を動かして、まるで返事をしているかのようでした。

布団へ入ると苦しそうなキキに手を添えて、優しく子守唄を歌ってあげる次女。

きっと、キキは次女の歌声に安心したのでしょう。

父がおやすみの挨拶をしにいったときに痙攣したので、家族みんながキキの側に集まりました。

段々と浅くなる呼吸。

反応しなくなっていく身体。

それでもキキは、キリッとした表情のまま。


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最期の最期まで、愛し愛された家族の顔を見ていたのかもしれません。

みんなに身体をさすられ、抱きしめられ、声をかけられながら、静かに静かに息を引き取りました。

あまりに静かに、眠るように逝ってしまったので、信じられない気持ちになるほどでした。

ありがとう、またね

みんなでキキにありがとうを沢山伝えました。

よく頑張ったね、とも。

膵臓と肝臓を悪くしていたらしく、体調を崩してからは抱き上げると痛みを訴えて鳴いていたキキ。

もう痛くないねと、みんなで優しく抱っこしました。

家族がひとしきりお別れを終え、寝室に残った次女とキキと私。

沢山お話をして、沢山撫でて、そのまま一緒に夜を過ごすことに。

キキの身体からは段々と温もりが消えていきます。

次女はキキの首輪を外し、自分の手首へ。

次女が身体を震わせるたび首輪の鈴がなって、キキが「泣かないで」と言っているかのようでした。

これまでにない悲しみを体験することになった次女は、生命の尊さをキキに教えられたことでしょう。

生涯忘れないであろう、大切なパートナーとなった次女とキキ。

私たち家族はその絆がきっとこれからも、次女を支え、守ってくれると信じています。


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家族みんなを愛し、家族みんなに愛されたキキに、言い尽くせないほどの感謝の気持ちを込めて。

またね、キキ。